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通信系メディアディレクター 毛利浩一郎
近年、長距離ドライブや家族旅行、ビジネスシーンでも車内でワイファイを使うシーンが増えています。専用の車載ワイファイルーターやポケット型ワイファイの登場により、常にネットに接続できる環境を整えることが可能になりました。
この記事では、車内でワイファイを使うメリットやデメリットを詳しく解説し、選び方のポイントやおすすめ端末も紹介します。

車内でワイファイを使うメリットは?
車内でワイファイを使うことには、多くのメリットがあります。以下に、車内向けワイファイの代表的なメリットを4点まとめました。
スマホのデータ通信量を気にしなくて済む
車内での専用ワイファイの利用で、スマホのデータ通信量を大幅に節約可能です。たとえば、家族旅行中に後部座席で子どもが動画をストリーミングし、大人が音楽を聴きながらナビを使うとスマホのデータプランの上限を超える可能性があります。
専用ワイファイなら、無制限プランを選べるため、データ量を気にせず好きなだけ利用できます。また、スマホのテザリングに比べてバッテリー消耗が少ないため、長時間の使用にも安心です。仕事でのオンライン会議やメール送受信でも、スムーズに接続できるのが魅力です。

スマホと使い分けることで、大容量のデータ通信でも安心して利用できます。
移動中でもインターネット接続が可能
車内でワイファイを使えば、移動中でも常にインターネットに接続できます。たとえば、ドライブ中に家族が後部座席で映画を見たり音楽をストリーミングしたりできるので、長時間の移動でも退屈せずに過ごせるでしょう。
また、地図やナビアプリをリアルタイムで更新すると渋滞や事故情報を即座に確認し、ルート変更がスムーズに行えるのも大きなメリットです。観光地へのドライブ時には、現地の観光情報を移動中に調べたり予約サイトでレストランや宿泊施設を探せるので、計画を柔軟に立て直すことが可能です。

ドライブ中にできることが増えて、より移動時間を楽しめるようになりますね。
公衆無線LANに比べてセキュリティが安全
公衆無線LANは、誰でも自由に接続できるため、セキュリティリスクが高いのが難点です。たとえば、カフェや駅で提供される無料ワイファイは、ほかの利用者が同じネットワークに接続しているためハッキングやデータの盗難のリスクがともないます。
一方、車内専用のワイファイはパスワードで保護されているため、知らない人からの勝手なアクセスを防ぐことが可能です。
また、車内で機密情報を含むメールを送受信したり、仕事のファイルをクラウドにアップロードしたりする場合があったとします。
この際、データの安全性が確保されるため、公衆無線LANの利用に不安を感じる人にとって大きなメリットです。

暗号化技術が使われているため、オンラインバンキングやクレジットカード情報を使ったショッピングも安心してできるでしょう。
車内で仕事を進められる
ビジネスシーンでも、車内向けワイファイは役立ちます。たとえば、出張中の移動時間を活用して、急ぎのメールチェックやオンライン会議への参加が可能です。これにより、車内を一時的なオフィスとして使えるため、移動時間を有効活用して効率的に仕事を進められます。
たとえば、営業職の方が訪問先に向かう途中で資料を確認したり、商談後に次の打ち合わせに向かう間に報告書を作成したりできます。また、クラウドサービスやオンラインドキュメントへのアクセスもスムーズなので、チームメンバーとのリアルタイムな情報共有やプロジェクトの進行管理も可能です。

緊急の仕事にも迅速に対応でき、スケジュールの調整も柔軟に行えるのもメリットです。
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車内でワイファイを使うデメリットは?
車内でワイファイを利用するメリットが多い一方で、デメリットも存在します。以下に、車内向けワイファイの代表的なデメリットを3点まとめました。
契約料金が発生する
車内向けワイファイを利用するには、専用端末の購入や通信サービスの契約が必要で、その際に初期費用や月額料金がかかります。たとえば、専用の車載ワイファイルーターを購入すると端末代が1万円以上かかることもあり、月々の通信プランも選択が必要です。
無制限のデータプランを選ぶと料金が高くなる場合があり、月額数千円から1万円以上になることもあります。そのため、利用頻度やデータ使用量を考慮し、最適なプランを選ぶことが重要です。
たとえば、平日だけしか使わないなら低コストのデータ制限付きプランを選んだ方が経済的です。また、キャンペーンや割引を利用すると初期費用が安くなることもあります。導入前にしっかりと調べておくことで、無駄な出費を防ぎやすくなるでしょう。
エンジン稼働時しか接続できない端末もある
一部の車載ワイファイルーターは、車のエンジンが稼働しているときにのみ使用できる仕様になっています。電源を車のシガーソケットやバッテリーから直接供給するためで、エンジンを切ると電源が遮断され、通信が途絶える仕組みです。
たとえば、キャンプ場で駐車中にインターネットを使いたい場合や車内で休憩しながら動画を視聴したい場合、エンジンを常時かけておく必要があるため燃料の無駄や騒音が気になる場面も出てきます。
用途に応じて、バッテリー駆動やポケット型ワイファイなど、エンジンの状態に関わらず利用できる端末を選ぶとよいでしょう。
車外への持ち運びができない端末もある
車載専用のワイファイルーターは、車内に設置するよう設計されているため、車外へ持ち出して使うことが難しい場合があります。
たとえば、キャンプや旅行先の宿泊施設でインターネットを利用したい場合、車載専用ルーターだと持ち運びができないため不便です。このようなシーンでは、自由に持ち運べるポケット型ワイファイをおすすめします。
ポケット型ワイファイなら車内外を問わず使えるため、ドライブ中はもちろん、宿泊先やアウトドアでも安定したインターネット接続が可能です。さまざまなシーンでネットを使いたい人は、こうした点を考慮して端末を選ぶとよいでしょう。

使用場面が限られるデメリットもありますが、車の利用が多い方にとっては移動時間を有効に使えます。
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車内向けワイファイの種類
車内で使えるワイファイには、いくつかの種類があります。利用シーンや予算に応じて選べるため、それぞれの特徴を理解して選ぶと良いでしょう。以下に、車内で利用できるおもなワイファイの種類とおすすめの端末を紹介します。
種類1:車載用ワイファイ
車内専用に設計されたワイファイルーターで、車のシガーソケットやバッテリーから直接電源を供給するタイプです。これにより電池切れの心配がなく、長時間使用できます。また、安定した通信が期待でき、ドライブ中のインターネット利用には最適です。
パイオニア「DCT-WR100D」
パイオニアの「DCT-WR100D」は、ドコモ回線を利用して無制限のLTE通信が楽しめる車載用ワイファイルーターです。最大5台の端末を同時に接続できるため、家族での長距離ドライブなどで、快適にインターネットが利用できます。
料金プランも「365日プラン」「30日プラン」「1日プラン」と車の利用頻度に合わせて選べるため、毎日使う人から旅行で一時的に使いたい人まで、幅広く対応しています。
料金(税込) |
365日プラン:13,200円 |
契約期間 | 縛りなし |
下り最大速度 | 150 Mbps |

事務手数料と解約違約金がかからないため、コストパフォーマンスがよい端末です。
種類2:USB接続用ワイファイ
USBポートに差し込むだけで使えるコンパクトで持ち運びに便利なタイプです。車内のUSBポートから電源を供給し、短時間の利用や一時的な接続に向いています。とくに日常の通勤時や近場へのお出かけの際に便利です。
KEIYO「AN-S117」
KEIYOの「AN-S117」は、USB接続で簡単に設置できるコンパクトなワイファイルーターです。SIM契約や月額使用料が不要なため、経済的で手軽に利用できます。設置スペースを取らず、取り外しも簡単なので、急な外出時や短時間の利用に最適です。
必要なときにすぐに使える利便性があり、車内でのちょっとしたインターネット接続を快適にサポートします。
料金 | 1日:220円(1GB) 30日:880円~2,750円(5GB~30GB) 60日:1,540円~2,200円(10GB~20GB) 90日:4,620円~6,600円(50GB~100GB) 365日:6,980円~8,201円(100GB~120GB) |
契約期間 | 縛りなし |
下り最大速度 | 150 Mbps |

44gの軽量なルーターなので、車での旅行にもピッタリです。
種類3:ポケット型ワイファイ
携帯性に優れたポケット型ワイファイは、車内外を問わず、どこでも使用できます。旅行や出張先でも利用できるため、さまざまなシーンで活用可能です。また、バッテリー駆動なので、エンジンを切った状態でも使えます。
カシモWiMAX
株式会社MEモバイルが提供する「カシモWiMAX」は、容量無制限で高速通信が楽しめるポケット型ワイファイです。最大下り速度4.2Gbpsの5G通信に対応しており、車内はもちろん、旅先や外出先でも快適に利用できます。 業界最安級の料金プランで、端末代や月額費用も安く抑えられ、初期費用も不要です。
申し込みの翌日からすぐに使えるため、データ通信量が多い方や移動中でも安定した接続を求める方におすすめのアイテムです。
料金(税込) | 契約初月:1,408円 契約翌月以降:4,818円 |
契約期間 | 縛りなし |
下り最大速度 | 3.9Gbps |

車内以外でも利用するのであれば、ポケット型ワイファイは選択肢の有力候補になります。
種類4:スマートフォンのテザリング機能
スマートフォンのデータ通信をほかのデバイスと共有するテザリング機能は、手軽に車内でインターネットを使う方法の一つです。追加の専用端末が不要で、特別な契約も必要ないため、短期間の利用や急なネット接続に便利です。
たとえば、急にノートパソコンで仕事をする必要があるときや、タブレットで動画を視聴したい場合にもすぐに対応できます。しかし、バッテリー消耗が激しく、長時間の使用には向いていません。
また、テザリング中はデータ通信量を消費するため、大量のデータを使用する場合には注意が必要です。車内で長時間利用する場合は、外部バッテリーや車載充電器を用意しておくと安心です。

新たなワイファイルーターは不要ですが、スマートフォンの充電環境を整える必要はあるでしょう。
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車内向けワイファイを選ぶときのチェックポイント
車内で利用するワイファイを選ぶ際に、考慮すべきポイントがいくつかあります。適切な端末やプランを選ぶことで、コストの節約や利便性の向上が期待できるため、以下5点を解説します。
利用頻度や利用期間に合ったプランか?
車内向けワイファイを選ぶ際には、自分の利用頻度や期間に合ったプランを選ぶことが重要です。たとえば、週末のレジャーや旅行など、短期間だけ使いたい場合は「1日プラン」や「1週間プラン」などの短期契約が経済的です。
一方、営業職や長距離ドライバーのように毎日車内でインターネットを使う人には、無制限の長期契約プランが適しています。 また、旅行中に家族全員が利用する場合には、データ量を気にせず使える無制限プランが便利です。
定期的に契約内容を見直すことで、ライフスタイルに合った最適なプランを選びましょう。
必要なデータ容量が使えるか?
車内向けワイファイを選ぶ際は、利用するアプリやサービスに応じたデータ容量を確保できるかが重要です。たとえば、動画視聴やオンラインゲームをメインで利用する場合、1時間あたり数GBのデータを消費する場合があるため大容量または無制限のプランが適しています。
一方、メールのチェックやSNSの利用が中心であれば、少ないデータ量のプランでも十分です。自分がどれだけのデータを使うかを把握しておくことで、不必要な追加料金を避けられます。
複数のデバイスを同時に接続する場合はデータ使用量が増えるので、家族での利用や長距離ドライブでは、容量に余裕のあるプランを選ぶと安心です。
車以外でも使う可能性があるか?
車内向けワイファイを選ぶ際には、車以外でも利用する可能性の考慮が必要です。ポケット型ワイファイは、車内外で自由に持ち運べるため、旅行先の宿泊施設やアウトドア・カフェなどあらゆる場所でインターネット接続が可能です。
これにより、移動中だけでなく、目的地でも引き続き快適なネット環境を確保できます。 一方、車載専用のワイファイルーターは車内に固定されるため利用場所が限られますが、一部のモデルは取り外して持ち運べるタイプもあります。
たとえば、キャンプやピクニックで車外でも使いたい場合には、バッテリー駆動やUSB接続で持ち運びができるワイファイを選ぶとさまざまなシーンで活用できるので便利です。用途に合わせて、どちらが最適かをよく検討して選びましょう。
バッテリーの持続時間はどの程度か?
車載ワイファイを選ぶ際、バッテリーの持続時間は重要なポイントです。とくに長時間のドライブやアウトドアでの利用を考えている場合、バッテリーが長持ちする端末を選ぶことで途中で接続が切れる心配がなくなります。
たとえば、移動中に音楽をストリーミングしたり動画を見たりする場合、バッテリーの持ちが悪いとすぐに充電が必要になり利便性が低下します。
ポケット型ワイファイの中には、10時間以上連続で使用できる長持ちバッテリーを搭載したモデルもあり、アウトドアでも安定して利用可能です。また、USB接続型なら車の電源から直接給電できるため、エンジンをかけている限りバッテリー切れを気にせずに使えます。
利用シーンに合わせて、最適なバッテリー性能を持つ端末を選びましょう。
同時に接続できるのは何台か?
車載ワイファイを選ぶ際には、同時に接続できるデバイスの台数も重要なポイントです。家族でドライブする際、複数のデバイスを同時に使うシーンが多く見られます。
たとえば、子どもがタブレットで動画を視聴し、大人がスマートフォンでSNSをチェックする場合があるとします。そのうえでノートパソコンで仕事を進める場合、複数のデバイスを同時に接続できるワイファイが必要です。
端末によっては、2~3台しか接続できないものもあれば、10台以上の接続が可能なものもあります。とくに長距離ドライブや家族旅行では、安定した接続でデータが途切れないよう、対応台数に余裕のある端末を選ぶと安心です。
また、接続台数が多くなるほど通信速度が落ちる場合もあるので、実際の使用環境に合ったスペックを選ぶことが大切です。

後悔のない選択のために、5つのチェックポイントの優先度を決めて、比較されることをおすすめします。
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車内向けワイファイに関するよくある質問
以下は、車内向けワイファイに関するよくある質問とその回答です。疑問を解消し、より快適に利用するための参考にしてください。
スマホのテザリング機能とどちらが便利ですか?
スマートフォンのテザリング機能は、急な外出時や短期間の利用に便利です。特別な端末が不要で、スマホさえあればすぐに、ほかのデバイスをインターネットに接続できます。
しかし、テザリングを使い続けるとスマホのバッテリー消耗が激しくなり、長時間の利用には向いていません。 また、接続が不安定になりやすく、複数のデバイスを同時に使うと通信速度が低下する場合もあります。
その点、専用の車載ワイファイ端末はバッテリーの持続性や通信の安定性が高く、長時間の利用や複数デバイスの接続でも快適に利用できます。頻繁に車内でインターネットを使うなら、専用のワイファイ端末を選ぶ方が効率的で使い勝手もよいでしょう。

頻繁で大容量のデータ通信であれば、車内向けワイファイの購入がおすすめです。
ワイファイの接続でバッテリー消耗は激しいですか?
車載ワイファイは車の電源から直接供給されるため、バッテリー消耗を心配する必要がありません。長時間のドライブでも安定して利用できるのが大きなメリットです。
一方、ポケット型ワイファイやスマホのテザリング機能を使う場合、バッテリー消耗が速くなりがちです。 とくにスマホのテザリングは、大量にデータ通信するとバッテリーが短時間で減ってしまい、充電切れのリスクが高まります。
そのため、長時間の利用が想定される場合は、外部バッテリーや車載用の充電器を用意しておくと安心です。また、ポケット型ワイファイでもバッテリーの持ちが長いモデルを選ぶことで、外出先でも快適に使えます。

どのくらいの時間ワイファイを使うかによって、端末の種類を検討されるとよいでしょう。
ワイファイの設置は難しいですか?
車載ワイファイルーターの設置は簡単で、特別な技術や知識がなくても初心者でもすぐに取り付けられます。多くのモデルは、車のシガーソケットやUSBポートに接続するだけで自動的に作動する仕組みになっており、設定に時間がかかることはありません。
たとえば、USB接続タイプのルーターなら挿すだけでインターネットに接続できるため、ドライブ中の急なネット利用にも対応できます。また、ポケット型ワイファイは車外でも使えるため持ち運びにも便利で、設置の手間もなく電源を入れるだけで使えます。
車載専用ワイファイの中には、ダッシュボードに固定するだけの簡単設置タイプもあるので、機器をしっかりと安定させたい場合にも安心です。設置がシンプルで手軽なため、初めて車内向けワイファイを導入する方にもおすすめです。

設置は難しくないものばかりですので、安心してください。
ワイファイの端末はどこで購入できますか?
車載ワイファイ端末やポケット型ワイファイは、家電量販店やオンラインショップで手軽に購入できます。家電量販店では実際に製品を手に取って、機能やサイズ感を確かめたうえで選びたい方におすすめです。
また、スタッフに直接相談できるので、初心者でも安心して購入できます。 一方、オンラインショップでは、豊富な商品ラインナップと手軽な価格比較が可能です。
とくにメーカー公式サイトや大手ECサイトでは、お得なキャンペーンやセット割引が頻繁に実施されており、端末の初期費用が割安になる場合もあります。オンライン限定の特典が付くこともあるため、事前にいくつかのショップをチェックしておくとよいでしょう。

購入時には契約プランもあわせて確認し、自分の利用スタイルに合った選択が大切です。
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まとめ:車でワイファイを活用して快適なドライブを
車内でのワイファイ利用で、移動中でも快適なインターネット環境が手に入ります。家族旅行では子どもたちが動画を見たり、ドライブ中に音楽をストリーミングしたりと、エンタメの幅が広がります。
ビジネスシーンでも、移動時間を効率的に使い、急ぎのメールやオンライン会議に対応可能です。
車内向けワイファイは、さまざまなシーンで活用できるため、自分の利用スタイルに合った端末とプランを選び、快適で充実したドライブを楽しんでください。