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通信系メディアディレクター 毛利浩一郎
WiMAXの通信速度が遅くなってイライラした経験はありませんか?普段は快適に使えていたのに、あるとき突然読み込みが遅くなったり、動画が止まったりすることがあります。
この記事では、WiMAXが遅い11のおもな原因とその対処法を時間帯や使用環境別に詳しく解説します。改善策を知れば、今よりも快適なネット環境を手に入れることができるでしょう。
WiMAXが遅いのはどんなときか
WiMAXの通信速度は、時間帯や利用場所、周辺環境によって大きく変動します。いつもと同じ場所で使っているのに速度が遅いと感じたときは、まずどのような条件下で遅くなっているのかを確認することが重要です。
ここでは、通信が遅くなりやすい状況とその背景について解説します。
WiMAXの通信速度が落ちやすい時間帯や環境
WiMAXは、電波を利用してインターネットに接続する仕組みのため、周囲の利用状況や環境に大きく影響されます。特に通信速度が落ちやすいのは、平日夜間や休日など、インターネット利用者が集中する時間帯です。
また、建物の構造や周囲にある障害物も通信に影響を与えます。例えば、鉄筋コンクリート造のマンションや、地下、エレベーターの近くといった場所では、電波が届きにくくなることがあります。
さらに、気象条件も電波の伝わり方に影響し、大雨や台風のときに速度が低下するケースもあるようです。これらの条件が重なると、安定した通信が困難になります。
特にWiMAXは固定回線と異なり、無線通信であるため環境の変化に左右されやすいという特性があります。
夜や週末にWiMAXが遅くなる理由
夜や週末になると通信速度が落ちるのは、回線が混雑するためです。特に19時から23時の間は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、動画配信サービスやオンラインゲームを楽しむ人が一気に増えます。
この時間帯は、1つの基地局に接続するユーザー数が増え、帯域幅が分散されるため、1人あたりの通信速度が自然と下がってしまいます。また、週末になると在宅時間が増え、家族全員がWiMAXに接続するケースも少なくありません。
加えて、通信制限の対象となる利用者がこの時間に集中することも、回線全体の速度低下に拍車をかけます。

通信会社側も設備強化を進めていますが、ピーク時間帯の混雑緩和には限界があるようです。
WiMAXの通信速度が遅い11のおもな原因とその対処方法
WiMAXが遅い原因は1つではありません。多くの要因が複雑に絡み合って速度低下を引き起こします。
ここでは代表的な11の原因と、それぞれの対処方法について具体的に紹介します。自分の利用状況と照らし合わせながら確認することで、適切な改善策を見つけやすくなるでしょう。
1.ルーターや端末が不具合を起こす
通信速度が遅くなる原因は、使用している端末にある場合もあります。たとえば、長時間使い続けたWiFiルーターは発熱したり、メモリが不足して処理が遅くなったりしやすく、それが速度低下につながることがあります。
このようなときは、ルーターを一度再起動するか、必要に応じて初期化を試してみてください。ファームウェアが古いままだと動作が不安定になりやすいため、あらかじめ最新の状態に更新しておくと安心です。
それでも改善が見られない場合は、ルーターの買い替えを検討しましょう。最近の機種はアンテナや通信チップの性能が高く、通信の安定性も向上しています。
2.通信量が上限に達して制限がかかる
WiMAXでは、一定の通信量を超えると速度制限がかかるプランがあります。たとえば「3日間で15GBを超えると翌日の夜間に制限がかかる」といった条件です。
この制限がかかると、普段のウェブ閲覧には支障がなくても、動画視聴や大容量ファイルの送受信が極端に遅くなることがあります。
対策としては、通信量が多くなりやすいサービスの利用を控えたり、WiFiの接続優先度を見直すといった方法があります。
また、リアルタイムで通信量を確認できる専用アプリを使えば、制限の回避にも役立つでしょう。

過去の利用履歴を把握して、不要な通信を抑えることも一つの手です。
3.ルーターが省電力モードで動作する
一部のWiMAXルーターでは、省電力モードが初期設定になっていることがあります。このモードはバッテリーを長持ちさせるための機能ですが、通信速度が制限される場合があります。
通信が遅いと感じたときは、まず省電力設定を確認してみましょう。据え置き型ルーターを使っているなら、常時フル性能で動作させることで、通信が安定することがあります。
設定画面から省電力モードを解除し、常時接続モードなどに切り替えておくと安心です。詳しい手順は、取扱説明書やメーカーの公式サイトを確認するとよいでしょう。
4.端末が多く接続して帯域が分散する
WiMAXルーターに同時に多くの端末を接続すると、それぞれに割り当てられる通信量が減ってしまいます。これにより、1台あたりの速度が落ちることがあります。
スマートフォンやパソコン、家電などが多数つながっているときは、接続している端末の数を見直すことが効果的です。特に動画やゲームなど通信量の多い用途を同時に行うと、帯域がすぐに足りなくなります。
使っていない機器はWiFiを切る、使用時間をずらすといった工夫で、通信が安定しやすくなります。
5.障害物が電波を遮る
WiMAXは無線通信のため、壁や家具などの障害物があると電波の届き方に影響します。とくに鉄筋コンクリートの壁や金属製品の近くでは、通信が不安定になりやすくなります。
また、ルーターを部屋の隅や床に近い場所に置くと、電波が十分に届かなくなることがあります。設置場所は、できるだけ部屋の中央で高い位置を選ぶとよいでしょう。

窓際や開けた場所に移すだけでも、通信状況が改善する場合があります。
6.電子機器が電波干渉を引き起こす
WiMAXの通信に影響を与える要因として、他の電子機器からの電波干渉があります。特に2.4GHz帯は、電子レンジやBluetooth機器、コードレス電話などと周波数が重なるため、干渉が発生しやすくなります。
これを避けるには、5GHz帯への切り替えが有効です。5GHzは他の機器と周波数が重なりにくく、通信が安定しやすい特長があります。
また、干渉の原因となる機器からルーターを離して設置することもひとつの方法です。
7.4Gと5Gの切り替えで通信が不安定になる
5G対応ルーターを使っていると、エリアや状況によって4Gと5Gの回線が自動的に切り替わります。この切り替えが頻繁に起こると、接続が不安定になることがあるでしょう。
特に5Gの電波が弱い場所では、再接続を繰り返すことで通信が途切れることもあります。そのような場合は、ルーターの設定で4Gに固定してみると安定することがあります。
まずは現在地が5G対応エリアかを確認し、それに応じて設定を調整してみてください。
8.エリアが電波の弱い地域に該当する
WiMAXは広い範囲をカバーしていますが、すべての地域で電波が強いとは限りません。山間部やビルの多いエリア、地下などでは電波が弱くなり、通信に影響が出ることがあります。
そのような場所では、ルーターの工夫だけでは限界があるため、あらかじめサービスエリアマップで対応状況を確認しておくと安心です。

また、外付けアンテナを利用したり、電波の入りやすい場所で使うといった工夫も役立ちます。
9.端末の性能が通信に影響する
接続する端末の性能も、通信速度に直結します。古いスマートフォンやOSのアップデートをしていないパソコンでは、WiMAXの通信性能を十分に生かせないことがあります。
たとえばWiFi 5に非対応の端末では、最新ルーターの速度を最大限活かすことができません。また、バックグラウンドで動作するアプリが通信を圧迫しているケースもあります。
OSやファームウェアをこまめに更新し、不要なアプリを整理しておくことが、快適な通信環境につながります。
10.プロバイダや基地局が障害を起こす
まれに、WiMAXを提供しているプロバイダや周辺の基地局で障害が発生していることがあります。このようなケースでは、ユーザー側で対処するのは難しいため、まずは公式サイトやSNSで最新情報を確認しましょう。
突然通信が不安定になったときは、障害の有無をチェックすることが第一です。状況によっては、スマートフォンのテザリングなど代替手段を使うのも手です。
11.旧型ルーターが速度に対応できない
WiMAXの通信規格は年々進化しており、古いルーターでは最新の高速通信に対応できないことがあります。特にWiMAX 2+のみ対応の旧機種では、5Gの恩恵を受けられず、速度や安定性の面で不利です。
このようなときは、WiMAX +5G対応の最新ルーターに乗り換えると、通信環境が大きく改善されることがあります。新しいモデルはアンテナ性能が高く、通信の混雑にも強くなっています。
プロバイダによっては機種変更のキャンペーンを行っている場合もあるため、契約内容を確認しながら検討してみましょう。
WiMAXの家庭でできる通信速度改善方法
WiMAXの通信速度が遅く感じられるとき、自宅でできる簡単な改善策がいくつかあります。特別な機器を買い足すことなく、設置場所の見直しや設定の変更だけでも通信環境が改善されることがあります。
ここでは、家庭内でできる実践的な対処法を紹介しますので、ぜひ参考にされてください。
WiFiルーターを再起動・初期化する
通信速度が急に遅くなったと感じたとき、まず最初に試してほしいのがルーターの再起動です。長時間連続で使用していると、内部メモリに不要な情報が蓄積され、処理能力が低下することがあります。
再起動することで、メモリがリフレッシュされ、動作が安定しやすくなります。再起動方法は、電源ボタンをオフにして数分待ち、再度オンにするだけで十分です。それでも改善しない場合は、初期化も検討しましょう。
初期化を行うと、購入時の状態に戻るため、根本的な不具合の解消が期待できます。ただし、初期化には設定情報が消えるリスクがあるため、SSIDやパスワードなどを控えてから実行するようにしましょう。
設置場所を見直して電波を安定させる
WiMAXルーターの設置場所も通信速度に大きく影響します。理想的なのは、家の中心部かつ高い位置で、壁や家具などの遮蔽物が少ない場所です。特に鉄筋や金属製の構造物は電波を大きく遮るため、避けたほうがよいでしょう。
ルーターが床に置かれていたり、テレビや電子レンジの近くにある場合も、電波が干渉されて速度が低下します。また、部屋の隅に置いてあると、電波が一方向にしか届かず効率が悪くなります。
窓際や開けた場所に移動させるだけで速度が改善されるケースもあるため、まずは簡単に試せる場所の見直しから始めてみてください。
5GHz帯に切り替えて干渉を回避する
WiMAXルーターには、2.4GHz帯と5GHz帯の2つの周波数帯があります。多くの家庭用機器は2.4GHz帯を使用しているため、電子レンジやBluetooth機器との電波干渉が起こりやすいのが特徴です。
一方で、5GHz帯は対応している機器が少なく、干渉が起こりにくいため、より安定した通信が期待できます。WiMAXルーターの設定画面から周波数帯を5GHzに切り替えることで、通信環境が大きく改善される可能性があります。
ただし、5GHz帯は障害物に弱いため、ルーターと接続機器の距離が近い場所で使うことをおすすめします。

特に動画視聴やオンライン会議など、安定性が求められる用途では有効な対処法です。
接続機器や周辺端末の更新・最適化を行う
WiMAXの速度はルーターだけでなく、接続する機器の性能にも影響されます。古いスマートフォンやパソコンは通信規格が古く、WiMAXの最大速度を引き出せないことがあります。
また、同時に多くの端末を接続していると、1台あたりに割り当てられる通信帯域が減り、速度が落ちる原因になってしまうでしょう。使っていない端末のWiFi接続をオフにすることで、帯域を効率的に活用することができます。
さらに、不要なアプリやバックグラウンドで動作しているソフトウェアも通信を圧迫するため、定期的な見直しが必要です。これらの最適化を行うだけでも、通信速度に明らかな違いが出ることがあります。
WiMAXの通信改善が難しい場合の選択肢
いろいろ試しても通信速度が改善しない場合は、根本的な見直しが必要かもしれません。通信環境は地域差もあり、WiMAXの電波が届きにくい場所では、どんな対処をしても限界があります。そんなときは、別の選択肢を検討することも一つの方法です。
WiMAX +5G対応の最新機種に切り替える
WiMAXルーターにはさまざまな機種がありますが、古いモデルでは最新の通信規格や速度に対応していないことがあります。とくに、WiMAX 2+対応の旧モデルを使っている場合、5Gに対応した最新機種に変更することで、速度の大幅な改善が見込めるでしょう。
WiMAX +5Gでは、従来の電波に加えてauの5G回線も利用できるため、対応エリア内であれば通信がより安定します。通信速度が大きく向上し、遅延も少なくなるため、オンラインゲームやテレワークにも適しています。
ただし、5G通信は対応エリアが限られているため、事前に利用エリアを確認しておくことが大切です。

プロバイダの公式サイトで対応機種の比較表を確認し、自分の使い方に合った機種を選びましょう。
他のプロバイダを検討する
同じWiMAXでも、契約するプロバイダによって通信速度やサービス内容が異なる場合があります。プロバイダごとに通信制限の条件、サポート体制、料金体系に差があるため、現状に不満があるなら乗り換えを検討するのも良いでしょう。
たとえば、回線が混雑しやすいエリアに住んでいる場合は、別のプロバイダの基地局が近くにあることで、より快適な通信が可能になることもあります。実際に利用している人の口コミや、比較サイトの情報をもとに、自分に合ったプロバイダを選ぶとよいでしょう。
また、乗り換えキャンペーンやキャッシュバックを活用すれば、初期費用を抑えることも可能です。
光回線などの固定インターネットに乗り換える
通信速度にとことんこだわりたいなら、固定回線への切り替えも視野に入れてみましょう。WiMAXはモバイル回線のため利便性に優れていますが、安定性や速度では光回線に劣る面があります。
光回線なら通信量の制限がなく、ピーク時間帯でも安定した速度を保ちやすいため、リモートワークや動画視聴に最適です。特に一戸建て住宅や長期的に同じ場所でインターネットを使う予定がある人にはおすすめです。
設置に工事が必要な場合もありますが、多くの通信会社で工事費無料キャンペーンが行われており、初期費用の負担は比較的軽減されています。

各社のプランを比較し、ライフスタイルに合った選択をしましょう。
WiMAXが遅い原因に関するよくある質問
WiMAXが遅い原因に質問は、実際の利用者から多く寄せられています。通信速度の不安や、使用環境に応じた使い方について、悩んでいる人も少なくありません。
ここでは、よくある質問とその回答を紹介します。自分の疑問と照らし合わせながら参考にしてください。
アンテナが立っているのに通信速度が遅いのはなぜか?
WiMAX端末のアンテナがフルで立っているのに、通信速度が遅いと感じることがあります。これは「電波の強さ=通信速度」ではないためです。アンテナは基地局との接続状況を示すものであり、回線の混雑状況や干渉の有無までは反映されません。
たとえば、夜間や週末などの混雑時間帯には、アンテナが立っていても通信が遅くなることがあります。また、電波が強くてもノイズが多いと速度が落ちる場合もあります。さらに、ルーターの設置場所や使用端末の性能も影響するため、通信速度の改善には複合的な対処が必要です。
このような場合は、まずルーターの再起動や設置場所の見直しを行い、それでも改善されない場合は周波数の切り替えや最新機種への変更を検討しましょう。
WiMAXでテレワークを快適に使うにはどうすればよいか?
テレワークをWiMAXで行う場合、安定した通信が欠かせません。まず重要なのは、通信が不安定になる要因をできるだけ排除することです。具体的には、以下のような対策が有効です。
- 有線接続を活用する(USBやLANアダプタを使う)
- 5GHz帯を優先して使用する
- 他の端末の接続を一時的に制限する
- 通信量の多い時間帯を避ける
特にビデオ会議などリアルタイム性の高い業務では、通信の安定性が仕事の効率を左右します。WiMAXでも快適に使えるよう、事前に速度テストを行っておくと安心です。
また、どうしても速度が安定しない場合は、職場との調整を行い、必要に応じて通信環境を見直すことも視野に入れましょう。
アップロード(上り)の速度が遅いときの対策はあるか?
アップロード速度は、写真や動画をSNSに投稿したり、大容量のファイルをクラウドに保存する際に重要です。WiMAXではダウンロード速度に比べてアップロード速度が劣る傾向があり、これに不満を感じる人も少なくありません。
対策としてまず試したいのは、接続先のサーバーの混雑状況やファイル形式の確認です。サーバー側の処理能力が低い場合、こちらの回線に関係なく速度が遅くなることがあります。また、ファイルの圧縮を行うことで、アップロードにかかる時間を短縮することもできます。
通信機器や周波数の見直し、5G対応ルーターへの切り替えも有効です。

アップロード速度を重視する利用者は、対応エリアであることを確認したうえで、5Gプランの検討をおすすめします。
まとめ
WiMAXの通信速度が遅いおもな原因はさまざまですが、多くは使用環境や時間帯、機器の状態に起因します。再起動や設置場所の変更など、手軽にできる対処から始めることで、多くの問題は改善が期待できるでしょう。
それでも速度が安定しない場合は、5G対応の最新機種への乗り換えや、他のプロバイダ・固定回線への切り替えも選択肢となります。自分の生活スタイルに合わせた通信環境を整えることが、快適なネットライフの第一歩です。
最後に、WiMAXに関するよくある疑問にも触れました。アンテナの表示と通信速度の関係、テレワークでの活用法、アップロード速度の改善策などを押さえておくことで、ストレスのないインターネット利用が実現できます。